新型コロナの検査の話(2020/21年末年始)

さて、昨日の記事で31日が突出した感染者数になったことを説明する資料の提示と、本日5日の感染者数の上昇を予測しましたが、やはり想定内の数字で報告されてきました。ネットニュースやTVでも速報として報じていますが、きちんと解説してくれる人が現れることを望みます。

当院が外部委託している検査所は30日から3日が休業となっていました。この間は検査がしたくても外部委託で検査を行っている医療機関では実施不可能でした。都心では2000円前後で検査してもらえる駅前検査ができましたが、これも土日祝は休業となっており、3日までは検査をしたくてもできない人たちが大勢いたことが想像できます。

年末年始も少なくない感染陽性者数が発表されていましたので、12月26日までの週に比べて1月2日までの週は感染者の実数が多少増えていたことが想像できます。これは紛れもない事実でしょう。(31日と同様に3日にも山ができてもおかしくはありませんが、ここで集計された31日・1日・2日はかなり検査できるところが限られていたと思われます。検査は保健所、PCR機器を持っている病院では継続されていたと考えていいでしょう。)

本日の数字は、熱があったけど我慢していた人や感染拡大の報道を受けて不安に駆られた人たちが堰を切ったかの如く検査を受け、一気になだれ込んだ結果の数字であり、感染の実態とはかけ離れた数字と考えます。もともと多くなることが予想できたところでの発表ですので、騒ぎたい方は木曜日以降の数字で騒ぐことをお勧めしたいと思います。

4日に検査を受けた結果は6日にも都に報告されるため、6日も数字としては比較的大きなものが出ます。ここが800以下なら、ピークアウト後と考えてもいいですが、そこまでは下がらないのではないでしょうか。

高温多湿の夏と比べて、例年インフルエンザが流行する年末から3月まではコロナの感染は下火にはならないでしょう。年末に尾身茂先生が会見で感染拡大防止に最大限の努力を訴えたのは、ここを見据えての話であり、人々の気を引き締めることはとても重要です。

しかし

現状が緊急事態ということとは意味が違うと思います。

不安に陥れ人心を惑わす行為は、絶対に行ってはならないことです。

前回もそうですが、緊急事態宣言の発出が遅すぎたということはなく、むしろかなり早めに出たと考えます。必要性の是非はともかく、医療現場はこれでなんとかなる可能性が上がりました。

対して、社会全体・経済の点でマイナスが大きくなりすぎないことを祈ります。

緊急事態であろうがなかろうが、感染対策は少なくとも来年の春までは粛々と継続していく必要があります。

長期戦には、ペース配分が必要です。冬は引き締め、夏は緩めてもいいのはこの1年の経験で理解できると思います。

絶望する必要もなく、粛々と新しい生活様式を継続していきましょう。

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