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コロナの検査の話(感度・特異度を中心に)

あくまで院長の個人的感想ですが、皆さん検査や薬が気になってしょうがない方が多いような印象です。かくゆう私も大学では臨床検査医学講座に所属しており、最近まで日本臨床検査医学会に所属していました。

専門ではないことをお断りしたうえで、新型コロナウィルスのRT-PCR検査と、以前より使っているインフルエンザ抗原迅速検査キットについて、その有用性のお話をしてみたいと思います。

*現在当院ではコロナウィルスの検査は一切行っておりません。

コロナのPCR(RT-PCR)検査は、報道されていることからの一般的なお話で、感度(コロナ感染者のうち検査で陽性を出す割合)が70%程度といわれています。特異度(コロナに感染していない人の検体を正しく陰性と出す割合)の話はしっかりとした数字が見当たりませんが、コンタミネーション(感染者の唾液などが一部混入してしまう検体採取の問題)や死菌(すでに活性を失ったウィルス)までを拾い上げてしまう特性上、特異度は絶対に100%にはならないことを考慮し、

仮に感度70%、特異度99.9%として、例題を解いていきましょう。

先日、慶応大学附属病院の予定入院患者のコロナPCR陽性率が6%と報道されていました。都心に比べ多摩地域は流行が少ないがそこからさらに時間が経過したことなど考慮し、仮に感染者が5%いる設定にします。人口10万人中に5000人感染者がいて、そのうちの95%・4750人が不顕性感染(症状がない人)とします。残りの250人が症状がある人となりますが、立川市と国立市を足して約25万人のうち現在の累積陽性者が20人程度なのでかなり多い設定になります。

この中で症状の有無にかかわらず無作為に10万人にPCR検査を行った場合

感染者5000人のうち陽性は3500人、偽陰性は1500人

非感染者95000人のうち偽陽性95人、陰性94905人

陽性率は3.595%・陽性反応的中率97.4% 陰性率は96.405%・陰性反応的中率98.4%となります。全体の精度は98.4%です。楽天市場で自由に検査ができるように売り出される予定でしたが、感度が良くないのにすごくいい数字に見えますね。

でも感染者の30%・全体の1.5%の偽陰性の方は野放しで、ほかに感染させるので感染の収束に役立つのかといわれるとはなはだ疑問です。また、検査を受けたかたの約0.1%が感染していないのに感染者にカウントされてしまい、感染報告数は実数より1405人も少なく見積もられてしまいます。

毎日、新たな感染者が何人と報道されていますが、検査で陽性に出た人数が多かろうが少なかろうが、実際の感染者を正しく反映した数字にはなりえないのがよくわかります。また、見逃した人がほかの人に感染させないよう接触飛沫感染防止の社会的距離の確保、手指消毒、休校や大規模イベントの中止措置は絶対的に必要なことがわかります。

さて、先日から抗原検査の話が報道され始めてきております。実際に4月末に富士レビオという会社が製品を完成させ認可申請を済ませているようです。原理はイムノクロマト法というもので、インフルエンザの検査も同じ方法のものが流通しており、比較的なじみの深いものです。当院では国立市医師会休日診療センターと同じクイックナビFlu2®を採用しています。添付文書からは鼻腔ぬぐい液のインフルエンザAでの感度94.8%、特異度98.4%となっていますが、十分なウィルス抗原量がない感染初期では感度がかなり落ちることが知られています。また、抗原量を十分多くしたテスト検体では100%の感度になることが記載されています。

つまり、イムノクロマト法による抗原検査は抗原量に依存して感度が変わるようですので、インフルエンザに比べ検出の難しいコロナウィルスでは30%程度まで感度が落ちるのではないかと思われます。

先ほどと同じく感度30%、特異度98.4%の設定で、5%の感染者のいる集団10万人に一斉に検査を行った場合を計算してみましょう。

感染者5000人のうち陽性1500人、偽陰性3500人

非感染者95000人のうち偽陽性1520人、陰性93480人

陽性率は3.02%陽性反応的中率49.7%、陰性率96.98%陰性反応的中率96.9%となります。陽性反応がでたとしても、一斉にやったら全くあてにならない感じですが、これまでの知見でコロナを疑うCT像や、採血でのCRP陰性などのウィルス性を疑う所見から、ほかの検査を先に実施したうえで8割がたコロナを強く疑う方に絞って検査をした場合は、また違った結果で見えてきます。

10000人のコロナっぽい肺炎患者(うち8000人が本当のコロナ)に対し、15分以内に結果が出て、陽性が2432人(24.32%)でます。副作用のほとんどない薬が使えるとしたらさっさと使い始めることができ重症化を予防することが期待できます。しかし、うち32人は薬を使う必要がなかった人たちです。この方たちも、薬の効果を見てから次の手を打つことはあまり問題ではなさそうです。残りの7568人は陰性なのでPCRの結果を待ちますが、ほかの検査で強く疑っており厳重観察が必要で、ほっておかれることはありません。PCRが少し感度が良くなっても30%は見逃しが出るので、強く疑うのならやはりPCR陰性でもコロナの治療が行われるかもしれません。

もう一つの仮説として、コロナウィルスの唾液中の抗原量が多い人ほど人に感染させるとした場合、コロナ感染者の8人に一人12.5%程度しか感染させていないという事実もあるようで、また、発症前2日から発症後数日が感染させる時期との報告がありますので、発熱後速やかに検査ができて数分で結果がみられるキットをさっさと使って抗原量が多い時期に検査ができ、ほかに感染させる人を見分けることができれば、イムノクロマト法の特性からはもしかすると感染を広める人に限っては高感度で見つけられるかもしれません。この仮説がもし正しいようなら、感染拡大を抑え込む有効な武器になる可能性が十分ありうると思います。

さて、今回の計算は推論に基づくものであり、思いつくままに書いてみたので検証も行っておりません。臨床試験の仮説としては面白いと思うので、検証してくれる人がいるといいですが…。とりあえず抗原検査に関しては発売後速やかに手に入れられるよう努力しようかなと思っております。

経過の予測

上記の図は、終末期の医療の説明によく使われます。全くこの通りになるわけではなく、患者さんの経過の予測にはさまざまな要素が絡みますが、大まかにこのような予測は当てはまります。

がん患者さんは、ある変曲点を迎えると、死へ向かう過程は他の疾患に比べて予測しやすいです。

対して、心不全などでは治療に反応してくれれば復活が見込めますが、急性増悪を繰り返しながら徐々に生活機能も落ちていき、いずれ臓器がもたなくなってしまいます。治療に反応するかはやってみないとわからず、在宅医療で検査も十分でなければ本当に諦めるべきかの線引が非常に難しくなります。

老衰の経過は長く、口から食べられなくなったあとも胃瘻などで栄養を与え続けると、生活機能が大きく障害されていても年単位の経過を示す場合があります。逆に、その経過を説明して、いたずらに胃瘻などで延命しないことを選択することが可能であり、医療者と本人、家族のコミュニケーションが非常に重要となります。

3つのモデルの中では臓器不全モデルが最も難易度が高く、当院の在宅医療での看取りも数%程度です。すべて救急車で病院で対応してもらう医師がいてもおかしくはありませんが、当院ではご本人の意思しだいで、緩和の薬剤を駆使して対応させていただくケースもあります。医療者側も本当にこれで良かったかと振り返り反省することが多いケースでもあります。

上記の経過は、多くの方に理解をしていただきたいものです。また、どういう選択をするにしても個人の意思が最大限に尊重されるべきものと考えます。

国立市基本健康診査受付中

7月から9月生まれの方の健診チケットは9月まで利用できます。

9月もまだ健診枠の空きがあります。余裕をもって受診ください。

なお、健診枠は9月から火曜日と木曜日に変更とさせていただきました。予約外はお受けしておりませんのでご了承ください。

夏風邪に注意

 7月に入ってから、気温の低い日が続いています。日中は過ごしやすくていいですが、夜は肌寒く、うっかり寝冷えなど起こすことも。

 幼児・学童では手足口病が出ているようですね。特別な治療はしない病気ですが、集団生活の中では感染が広がりやすく、東日本大震災の避難所で大流行したことが思い出されます。

 

 当院は朝8時から内科診療を行っています。小児も受診可能です。国立市では一番早くあいてますが、認知度が高くありませんので待ち時間は短くなっています。9時以降は往診に出ている場合もありますが、周辺の医療機関が対応可能となりますので、診療時間等ご確認の上受診をお願いします。

傷の処置は誰がやる?

毎日やる前提で、365日あいているクリニックはあまりなく、必然的に医師以外に処置をする人が必要です。

健康な人は主に自分で、子供なら親がと、指導をしたらやれそうです。

褥瘡は?

訪問看護は特別指示で最大で月に28日は看護師の訪問ができますが、土日問わず引き受けてくれる訪問看護ステーションが必要です。しかしいきなり土日対応をお願いしてOKが取れるわけではありません。ヘルパーも見つからないこともあり、さらにヘルパーの業務として行うかは事業所次第です。

家族ができれば問題ないのですが、ひどい床ずれを作ってしまう方は、家族の介護協力が難しい場合が多いです。

入院すると外科や皮膚科がみたりします。しかし、残念ながら消毒薬や軟膏などの治癒を阻害するものを使われてしまい、治るものも治らなくなることが多く、残念な結果になることが多いです。

褥瘡の治療は悩みが多いです。

 

時間があるときに、当院での褥瘡治療の実例を写真付きで紹介できればと思います。

湿潤療法とラップ療法の違い

この2つ、始まったのが形成外科と内科の違いがあり、発展した経緯がそもそも違うのですが、傷が治る過程を科学的に検討していった結果、真実はひとつだったというお話です。

2002年に僻地の診療所長として赴任した際、ひどい褥瘡を治療してほしいという患者さんはいませんでしたが、外来には普通にケガの治療に来る人たちがいました。その頃が一番ケガの人を見ていて、夏井先生の本を買って実践してみると、研修で習った治療より明らかに治りが早く痛くなく、傷も綺麗なのでその後は我が子の擦り傷などで使う程度でした。

夏井理論は2002年ごろ実践済みでしたが、鳥谷部理論は悪条件下の試行錯誤がさらに必要で、数年でバージョンアップし続けてきており、2006年ごろから両先生の交流が始まりさらに良くなっていることが確認できました。

褥瘡と火傷では使うものが違います

褥瘡は吸収体(ペットシーツなど)で乾きすぎないくっつかないようにする。浸出液の処理が最重要で、感染兆候があれば抗生剤の全身投与が必要。吸収体、表面材に必要時抗生剤内服。

傷は異物(カサブタ含む)除去、出血と感染のコントロール、顔はハイドロコロイド、それ以外はプラスモイストで、毎日水道水で洗浄し貼り替える。

汚れたら洗って取り替え、最低一日1回、何度でも可。石鹸、消毒液などの化学物質は使用しないこと。

ちなみに女性の肌に化粧品は大敵だそうです。

市販のハイドロコロイドで有名なキズパワーパッドに、数日貼りっぱなしとかいてありますが、やめましょう。さらに薄くて安いハイドロコロイドがズイコウメディカルからででますので、もったいないことはなくどんどん貼り替えましょう。

湿潤療法は けがとやけど

ラップ療法は 褥瘡

お間違えなく

湿潤療法

湿潤療法研究会に松永院長と松本で行ってきました。
穴あきラップとペットシーツ、ワセリンが3種の神器のようです。

講師の夏井睦先生、鳥谷部俊一先生と参加者の質疑応答というかフリートークも笑いあり裏話ありで3時間があっという間でした。

書籍&サインをゲットしてきました。

土曜診療

7月より土曜診療を開始しました。

まだ、周知が進んでいないので、完全予約制ながら予約は1件のみです。要介護の方の家族が相談のためにいらっしゃいます。

外来終了後は訪問1件で本日の予定は終了になりますが、午後は日本橋で湿潤療法の勉強会に出席してきます。

褥瘡のラップ療法の鳥谷部先生と、湿潤療法を広めた夏井先生が二人ともいらっしゃる「知る人ぞ知るすごい二人」のお話が聞けるので、楽しみです。

私(院長)は、2002年から夏井先生の本を買って勉強し、ことあるごとにこの本をほかの人たちにプレゼントしてきました。

まさに創傷治療のパラダイムシフトを成し遂げたお二人に会えるのが楽しみです。

水害

 私(院長)の生まれ育った地域は、川内川(せんだいがわ)という一級河川にほど近く、過去にたびたび水害にあっている地域です。ここ数日の大雨で、鹿児島県の水害情報が報道されています。被害が拡大しないよう願うばかりです。

 ところで、現代は便利になったもので、離れて暮らすここ東京でも、簡単に災害情報が手に入り、yahooの河川情報でリアルタイムの状況と定点カメラの映像を見ることができます。

https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/river/8909120001/

 開業医になると災害派遣にいち早く手を挙げることが厳しくなっていますが、大学病院勤務時代に東日本大震災があり、私も派遣されました。

 日本のように災害が多い地域では、どこに住んでいても防災の備えが欠かせません。今週は当院の災害対策についても院内で再検討してみたいと思います。